産業廃棄物の積替え保管とは

産業廃棄物の積替え保管とはどのようなものでしょうか。

産業廃棄物の収集運搬については、前回の記事でアップしておきました。
この産業廃棄物の収集運搬において許可を得ようとする場合、「積替え保管あり」と「積替え保管なし」という2つの許可パターンがあり、どちらかを選択して許可を得ることとなります。

1.そもそも積替え保管とはなんでしょうか?
 積替え保管とは、産業廃棄物を排出元で収集し車両に載せた後、その車両から別の車両へ積み替えたり、一旦車両から産廃を下して保管するような行為を積替え保管といいます。
 つまり、このように産業廃棄物を運搬車両へ載せて、そのまま処分場まで運搬してしまう場合は、「積替え保管なし」ということになりますし、そうではなく別の車両へ積み替えたり、車両から下して保管する場合には、「積替え保管あり」になります。

2.具体例
では、なぜこのような積替え保管が必要なのでしょうか?
例えば、ある現場から排出される産廃が、今日はごく少量だったとします。このような少量の産廃のために処分場までガソリンや高速代を使って運搬することは不経済です。そのため一旦、保管施設に産廃を保管し、ある程度の量がたまった段階で、処分場へ運ぶことの方が経済的です。
また、排出された少量の産廃は、大型車両で運搬する必要まではなく、小型の車両で一旦収集し、何台もの小型車両で収集した産廃を、大型車両へ積み替えて運ぶケースもあるでしょう。
そのため、このような積替え保管の有無という区分ができました。

3.積替え保管の区分の意味
別に、積替え保管があったとしても、許可申請上「積替え保管の有無」で申請区分を分けなくてもいいのではないかと思われる方もいます。ですが、積替え保管なしのように排出元から直接処分場へ運ぶのと異なり、積替え保管有りの場合には、産業廃棄物を排出元や処分場以外の場所で車両から下ろすこととなり、産業廃棄物の飛散や、汚泥の流出などによる周辺環境への配慮はより一層強く求められます。排出元(現場など)は、もともと産廃の排出場所ですから、排出は予定されており、別途法律による規制がなされています。処分場も、処分場設置の段階で、法に適合した上で設置されています。収集運搬は、積替え保管なしの場合、その運搬行為を規制するもので、運搬車両と運搬容器が飛散・流出の恐れがないものかのチェックを受けることとなります。
 一方、積替え保管ありの場合には、運搬車両と運搬容器に加えて、積替え時や保管施設についても、飛散・流出等のおそれがないかチェックしなければなりません。
したがって、収集運搬の積替え保管有りの場合には、より一層厳しい審査になり、これにより積替え保管の有無の区分が意味をもつこととなります。

 ただ、現実には積替え保管なしで許可申請される事業者の方が多いかなという印象は受けます。
まずは、積替え保管なしで許可を取得して、必要に応じて後々積替え保管有りを取得するという形でしょうか。

 注意としては、積替え保管なしで取得した事業者が、排出元で産廃を収集し、運搬途中で仮眠をとるケースです。運搬先が遠方の場合には、運転者も休息が必要ですし、休息すべきですが、あまり長時間の休息となると、保管行為となってしまいますので、注意が必要です。運搬先が遠方の場合には、運転者を2名として交代制とするなどしましょう。

 あま市、清須市、名古屋市など愛知県内で産業廃棄物の収集運搬業の許可を取得する場合には、
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